考え出されるテーマ

パラマウント映画が作り上げる、映画の形

独特な世界観がもたらす内容に対して

物語の結末にも簡単に触れておくと、スージーは結局遺体も見つかる事無く、犯人も捕まることがないまま終焉を迎えるが、決してバッドエンドではない。むしろ自分という存在で壊れてゆく家族がようやく立ち直るきっかけを掴み、これで自分も心置きなくこの世を去れるという感情と、伝えられなかった想い人への恋慕を遂げることで、スージーはようやくその魂が御許へと召されるのだった。勧善懲悪を好んでいる人にしてみると不完全燃焼な作品だと一蹴されてしまうかもしれない、駄作やどうしてこんな結末なのかと犯人に対して憤りを覚える人もいるかもしれないが、現実問題として考えられる強姦被害では断罪されること無く隠蔽されるケースは非常に多い。

無論判明されれば裁きの対象となる、ただ被害のケースによっては決して人に知られること無く闇へと葬られてしまうことは珍しいことではない。実際の被害者達の多くが泣き寝入りしてしまうとも言われているため、そんな現実も踏襲しての結末なのかもしれない。主人公のスージーもまた自分という枷のせいで愛する家族が崩壊して行く、それは犯人に対しての怨恨よりも痛ましく、放っておけないことだった。だからこそ彼女は復讐という道を選ぶ父を止めることもできたが、それもしない。作品の展開によってはそんなことも可能だったかもしれないが、作者にしてみればそれですべてが解決して、亡くなった被害者も戻ってくるというのは、まずありえないと捉えていたのだろう。納得できないという人もいるかもしれないが、作品としてはただ犯罪者が制裁される痛快な物語では本当の意味で強姦というものの恐ろしさを伝えることは出来ないと、作者は判断したと見るべきだ。

ラブリー・ボーン=美しき骨格へと

原点回帰とは言わないが、ここでタイトルについての考察を振り返ってみよう。美しき‘骨’と呼ばれるそれは人間そのものを意味しているのではなく、1つの集合体を示していたのかもしれない。骨は一つでは意味を成さない、人間を形成している骨の数を考えるといくつもの骨が組み重なって人間と言う存在を形作っている。そういった観点からラブリー・ボーンとは『美しき骨格』ではないかと分析している人もいる。

これについては作品を見て、そして改めて強姦被害という現実問題を振り返って考えれば、確かに犯人に対しての恨みを優先しがちだが、被害者にとっては強姦された事実は消せない。むしろそれを正しく受け入れてその先も生きていかなければならない、そう考えれば復讐を行ってもその後に待っている展開が必ずしも明るい展望が期待できるというのは、あまりに非現実的だ。

同作品においてもスージーは冒頭から終盤にかけてみると、犯人よりも自分という存在に悩み苦しむ家族を助けたいという思いが強くなった。やがてあるきっかけを境に自分を乗り越え、家族という核を再構成するように別たれた時間を取り戻すよう、家族が家族としてもう一度始まろうとしていた。

そんな家族を満足そうに見つめ、最後に自分が生前どうしても叶えたかった約束を果たすため、一度だけ現世に降り立ち、かつての想い人との再会と邂逅を果たす。スージーは満足の内に思いを遂げることに成功し、安心して現世から去る姿にはこれからも強く自分という存在を乗り越えて強く生きてほしいという、遺された者達へのメッセージ性が重要な鍵となっているといえる。そういう意味では、同作品の独特な世界観と、決して完璧なハッピーとは言えないながらも心温まる結束を取り戻していく家族の姿に心打たれる人も多かっただろう。注目を集め、そして原作がベストセラーになったことも頷ける。

スージーはあくまで観測するだけの存在

ここまでの流れを見てもらえれば分かると思うが、同作品において主人公として描かれているスージーが物語の核として機能しているものの、基本彼女は既にこの世を去った霊体であって、物語においては『観測者』という立場に位置している。作品では彼女の家族を中心に様々な人間達の群像劇が語られているため、同作品は複数の主人公をテーマとした人間群像劇とも言える作品だということが理解できるだろう。

物語の流れを受け止めることが出来ない、もう少しすっきりする結末にならないのかと思う人も多いかもしれないが、作品としての形と、現実における強姦被害に対しての扱いを考えれば忠実に描写されている。強姦被害者だからこそ見える悲しくも受け止めなければならない現実だが、被害者はその先も生きていかなければならない。障害として立ちふさがりトラウマになってしまうのも無理はないが、それで人間としての歩みを止める事は間違いだと、むしろ自分だけが辛いのではないという励ましもこめた激励が作品のテーマと捉えるべきだ。

異色の作品として語られるラブリー・ボーン、結末には賛否両論だがはからずとも美しい物語となっている同作品は、一度見るに値する映画となっている。

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